騎士を首になり ブラック天使の下で 死ぬまで 悪魔退治をさせられる俺 〜それでも成り上がれるって信じてる〜

騎士を首になり ブラック天使の下で 死ぬまで 悪魔退治をさせられる俺 〜それでも成り上がれるって信じてる〜


確かに、銀髪美女だったけども、銀髪美女だったけども!



カルデラ国の騎士だった俺は ある仕事 の失敗が原因で解雇を宣告された。


自暴自棄になっていたとはいえ、あんな仕事を受けてしまうなんてな・・・


『悪魔退治』・・・
それはどんなブラック社畜も真っ青なお仕事である。
悪魔を唯一討伐できる『聖剣』には副作用があった。悪魔を退治した者の『寿命を1年以下に』してしまうというものだ。さらに退治を続けるごとに魔力が心臓に蓄積して、酷い疲労感、倦怠感、喪失感に見舞われる。さらにひどいことに俺はその事実を最後の方まで知らなかった。悪質な詐欺だとしか(・・・昔はこの仕事に従事した人を『英雄』とか『勇者』とか呼んでたらしい、怖い怖い)
というか悪魔退治自体も致死リスクが高い、あいつら本気で殺しにくるんだもの、死ぬ死ぬ


それでも俺は立ち止まらない、悪魔退治を続ければ・・・
カルデラの騎士のみんなは、きっと俺を見直してくれるに違いない





突然の解雇通告に頭が真っ白になった。



確かに俺は仕事を失敗した。
宝物庫の警備中、『ひとりの背の低い賊』に打ちのめされてまんまと宝物を盗まれてしまった。
だからと言ってこんなことって・・・


ここはカルデラ王国の王都フィルデルス、その城の警備を担当するのが我らがカルデラ騎士団である。活版印刷や貿易会社なんてある時代に古風であるが、そこは伝統と格式を重んじるカルデラ国だ。カルデラ騎士団は安定の終身雇用の公務員であるはずなんだが・・・


解雇・・・


憐れむ仲間の制止を振り切って王都を後にする。
南へ南へ歩く。







王都の南のグラノール穀倉地帯は今収穫時期で猫の手も借りたいほど忙しい