脛蹴り 銃弾なんて怖くない

銃弾なんて怖くない



銃弾・・・




魔術式の一種、
高速で射出される弾丸はは簡単に敵の頭を吹き飛ばす。


魔術の概念の薄かった、桜花の戦場など燦燦たるものだった。


まだ、その匂いは鼻にこびりついて離れない。



桜花国、占領下時には
謳州の兵士が我が物顔で闊歩していた。

背には銃を抱えている。


御土流は最強とか言っても、あの近代兵器にはどうやっても勝てないだろう



師匠「え?なんで」




は?





銃:『構える』⇒『狙いをつける』⇒『引き金を引く』 3ターン
脛蹴り:『脛を蹴る』 1ターン


「ほら勝った」


「・・・」
なんでいきなり『ターン性バトル』になってるんだよ。
色々大事な要素が抜けてんだろうが




$$$





曇り空だった・・・
ここんとこスッキリしない天気が続くな・・・
ケイシュウは駅のベンチに座っていた。


今日の任務は要人警護だ。
10:00に発車するこの列車に乗る大物議員の護衛・・・

「ああ、たるいな」


シスナ「はぁ・・・あんたの陰鬱な顔見てるとこっちまで滅入ってくるよ」


今回も同じ任務を言い渡されたシスナはひとしきり毒を吐いた後
どこかへ行ってしまった。
列車や駅が珍しいのだろう、全くお子ちゃまだ。



連合国議員バルロス=ハカロフ
戦争推進派閥のひとり、特に植民地域の徴兵政策の推進を訴えるタカ派
・・・俺らからしたら、死んだ方がいいんじゃねって思える人物だな

「全くもって、空しい限りだ」


「ふふ、これから未来を創っていこうという若者が、そんな眼をしているのは・・・いささか感心しませんな」


老人の声が聞こえる。
後ろのベンチに腰かけていたようだ。



「たとえ小さな行為であっても、それは『未来への礎いしずえ』となる・・・たとえ死んでしまったとしても・・・ね」


「・・・」
あれ、俺怒られてる?



「いやいや、年を取ると説教臭くなってしまっていけませんな」
老人はそそくさと去って行ってしまった。



うまく聞き取れた自信はないが『礎』という単語だけが
頭に残った・・・