オリジナル小説

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「おや、君、新人さんだね。最近、新しく入ってくる新人が多いよねぇ」
キロ「そうなんですか?」


「ほら、あそこにいる人とか」

指差した先にはひげ面の中年男がひとり
「わたしは、新人ではない!!!係長だ!!」



キロが見たその人は、影が薄いというか、印象に残りにくい感じがした。



「係長になるのが目標なんですね。」
「違う、係長だったのだ!!ある日突然、誰からも存在を忘れられて・・・」



キロ「あはは、そのギャグ面白ーーい」
「ギャグじゃねーよ!!」
キロ(あれ?どう返すべきだったんだ??)



「休憩終了!!!!さぁキリキリ働け!!!!」



重労働の忙しさから
係長だったという彼の存在さえも心に残らなかった。。




この倉庫だけでも無数の人が働いていた。。
きっと、誰かが抜けたり入ったりしても気が付かないほどに
キロはそこが少し怖くなった。




夕方・・・



「本日の仕事終了ーーー!!!」



キロが倉庫から出ようとしたとき何か巨大なものが通り過ぎるのを感じた。
目の前には、何もないのに・・・


使い魔「キロさん!!悪魔の反応が」




影の薄い悪魔

人の存在を糧にする

立場や人間関係を食らう

大きなトカゲのような姿




「あーあー聞こえない聞こえない」
ツカツカツカツカ・・・
キロは無視して通り過ぎた。


宿舎に戻るとぐったりと横になった
(あーやっぱりこういう仕事はつらいなぁ・・・)
使い魔「キロさんキロさん悪魔ですよ悪魔ですよ」
使い魔がキロの頭をべしべし叩いた。
キロ「痛い痛い痛い」





そのころ
ホエールキング役員会議では、
社員「今年度の業績は軒並み下方修正であり、大変苦しく・・・」


社員「あの・・・一部の意見ですが、役員の方々の給与を減らしてはどうかと・・・」
「とんでもない」
「何を言っておるのだね」
「君・・・暖かいところは好きかね?」

社員「すいません。すいません。出過ぎたことを」




社長「・・・・やはり、下部の者の給与を減らして、人員を削減するしか・・・」
秘書「しかし、社長、今の時期は出荷の最盛期ですので・・・」
社長「ふーむ」