オリジナル小説『はたく』
たとえばゲームの最初でパーティを組むとき
武道家は選ばない
パラメーターが中途半端だからだ。
戦士のように力があるわけでもなく
魔法使いのように魔法が使えるわけでもない。
『じゃあ、戦士にでも転職すればいいじゃないですか?』
また、レベル1からやり直すとかないわー
めんどくさいわー
『ああ、そうですか』
現状から逃げているだけでは何も変わらない
『全く進まないよりは逃げて別の道を探るべきかと』
孝一は17歳になった。
この10年
毎日欠かさずにやってきたことは10年前に見たあの現象の再現・・・
こんなの軽くはたいただけ・・・
孝一は『はたく』と呼んだ。
今日も黒いジャージ姿でひたすらに壁を殴る