ウツロ 水魔女と反省会
船の上、目的地までやることもなく・・・
船のデッキで小さいスフィと紅茶を飲む。
水人形の大きいスフィは傍にに控えていた。
ウツロ「今回全然活躍できなかったな・・・」
(サボれてラッキーだけど・・・)
スフィ「そんなことは・・・ありませんわ。・・・私はあれこれ指図されるより、任せてフォローしていただいた方が動きやすいですし・・・」
展開が早すぎてついていけなかっただけだんだが・・・
スフィ「ヒトには得意不得意があるものです。・・・あなたの専門はスライムなのでしょう?」
ウツロ「・・・ちげーよ、断じて違う。」
ウツロ「それにしても・・・噂にたがわぬ優秀っぷりだな。」
スフィ「流石、魔法協会始まって以来の『クイーン オブ 厄介』と恐れられたミラージュ=イエ―サー先輩の手綱を唯一握れた方・・・」
なにその不名誉な称号・・・
本来の水人形ウォータードールという魔法は自分そっくりに似せて自分の身代わりにするという魔法ですわ・・・しかし、色々なギミックを追加するうちに・・・どんどんこのような姿に・・・
初期:スフィ⇒現在:でっぷり
ということは・・・スフィが太ったら・・・その姿に・・・
「な・・・そんなことは断じてありえませんわ。・・・それに私は毎日欠かさず努力をしていますから・・・太ることなどありえません。」
努力が必要なのか・・・
それは便利・・・
あーなるほど・・・便利に頼りすぎてダラけるタイプと見た・・・
便利は正義ですわ・・・
太っていませんわ、断じて太っていませんわ
お屋敷のご飯がいけませんのよ・・・毎日あんなにおいしい料理を給仕してくださるから・・・
羨ましいな・・・お嬢様・・・
アレクちゃんが会いたがっていますわ
ああ、いつかの火魔女のことか・・・
水人形の秘密
任務終了後
船の上、目的地までやることもなく・・・
スフィさんは上品に紅茶を飲んでいた。
そういえば任務をした証拠の念写をしていなかったことを思い出したウツロはひどく落ち込んだ。
盗賊一味の壊滅と上位魔獣撃破の功績が成果として認められないのは辛い・・・まあ、スフィさんの活躍が99%だけれども
スフィ「それなら大丈夫。私の『水人形の目』は起こった出来事の終始を『映像として記録』していますので・・・」
優秀かよ・・・
この子は本当にすごい優秀な魔女なんだなと改めて実感した。エレノールさんの個人評価を疑ってしまった自分を殴りたい。すごいな水人形、フォルムと声以外は完璧だ・・・
余談で聞いた話だが、
本来の水人形ウォータードールという魔法は自分そっくりに似せて自分の身代わりにするという魔法であるらしい。
ウツロ「なら・・・なぜ・・・こんな姿に?」
スフィ「・・・そうですわね・・・当時と比べて、操ることができる水の量も増えたのでいつのまにかこの姿になっていましたかしら・・・ギミックも追加しましたし・・・」
ウツロ「・・・ということは・・・・将来スフィが太ったらこの姿に・・・」
スフィは紅茶を吹き出す。
スフィ「そそそ・・・そんなことはありませんわ・・・私が太ることなどありません。」
ずいぶん狼狽えているようだった。
話題を変えよう・・・
ウツロ「最初あったとき、水人形の中に居たのは隠密行動のためとか・・・」
スフィ「ええ、それもありますが・・・やはり、水人形を纏って移動する方が歩かずに済みますし、中はとても快適ですのよ・・・」
ウツロ「・・・」
スフィ「・・・」
スフィ「・・・ちゃんと別に運動していますから・・・太っていませんわ・・・お屋敷のご飯がいけませんのよ・・・毎日あんなにおいしい料理を給仕してくださるから・・・」
顔を真っ赤にして両手で顔を覆い隠すスフィ
どうして自爆するのだろうこの子・・・
別れ際、
スフィ「たまには本部にも遊びに来てくださいね。アレクちゃんが会いたがっていますわよ・・・」
ぷぷぷと悪い笑みを浮かべるスフィ
アレクちゃん?
ああ、いつかの新人の火魔女のことか・・・たしかアレクールって名前だっけ・・・