没個性について
頂点・・・
絶対的な輝き・・
誰からも羨ましがられ、優越感を感じる・・・素晴らしい
誰しもがそこを目指す。
だが、その席に座ることが出来る者はごくごく少数だ。
どれだけ努力を重ねようとも素養がなければ、そこに届く見込みは絶対にないと気づかざるを得ない。
頂点に立ちたい・・・頂点に立ちたい・・・
次点で、その欲望は『ある条件の元』でならば叶えることが出来ると気づく。
「子供なのに魔法を使える」
「背が低いのにジャンプ力が高い」
「不細工であるのにモテる」
そして、魔力が少ないのに・・・魔法協会で魔獣の討伐数が高い・・・
『個性』それは生きるために必要な要素だ。
たとえマイナスの個性であっても没個性よりマシだ。
そいつはおそらく死んでいるも同然だからだ。
詰みだ・・・詰みだ・・・詰みだ・・・
・・・うっさい!!
ウツロの透過風切りは、シルドの体を切り裂いた。
威力は小さく、傷は浅かったんだが・・・