【魔法協会創設編】当時のクラスティア王国


【魔法協会創設編】当時のクラスティア王国




アクアローナ当時14歳




当時のクラスティア王国は
今のリムガントの姿からは想像もできないほど・・・荒廃していた。




その時代
国王の権力が小さくなり、領主の権力が増す過渡期だった。
領主のひとりひとりが傭兵や剣士や魔法使いを食客として囲い込み
お互いが自分の利益のために他の領主を蹴落とそうと躍起になる。
そんなことが続き・・・



ある季節・・・魔獣の動きが活発になる・・・


気づいたときにはもう遅かった・・・




たくさんの村が・・・魔獣の侵略によって滅び、救援すら間に合わない・・・




各地に人骨の山が積み上がり、
家は焼け、村は廃墟と化す・・・
やせ細っていくクラスティアの国力・・・



隣国のラグベール王国の侵攻も活発化してきた・・・



皆が・・・このクラスティア王国に・・・絶望し始めた・・・そんな時代だった・・・





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今日も
アクアローナはアウディーネ家の屋敷の中庭で
魔術の練習に励む・・・



一昔前ならば、
「魔法など習わされているなんて、貴族の家督を継げない可哀想な子」
と蔑まれるのが常識だったんだらしいが・・・



「今のご時世、魔術を習うことができて、むしろ自分の幸運に感謝すべきかもしれないぞ」



と真顔で話す叔父・・・
はは・・・本当に笑えない














その夏、王妃様が生家からの帰途、
魔獣の襲撃に会い亡くなられたことは周りの王族や貴族たちを震撼させた。
王は城に籠り一切の外出をおこなわなくなる。
王国軍の主力は王の警護のため城に縛りつけられ、
ラグベール国の侵攻はより一層深刻なものになっていく・・・


代わりにラグベール軍の応対を任されたのが、叔父のシェルド=アウディーネであり、
私の魔術の師匠でもあった・・・




今日も
アクアローナはアウディーネ家の屋敷の中庭で
魔術の練習に励む・・・


ふー・・・



自然とため息がでてくる・・・
魔法の修行も身が入らないな・・・
かといって・・・屋敷の中にいるのはもっと嫌だ。
あの暗い雰囲気の空間にいるだけで、息がつまりそうになるもの・・・





一昔前ならば、
「魔法など習わされているなんて、貴族の家督を継げない可哀想な子」
と蔑まれるのが常識だったんだが・・・



「今のご時世、魔術を習うことができて、むしろ自分の幸運に感謝すべきかもしれないぞ」



と真顔で話す叔父・・・
はは・・・本当に笑えない













私、アクアローナは魔法使いの名門貴族アウディーネ家の3女として生まれた。
何不自由ない幼少生活を送る毎日、やんちゃでお転婆だった私はことあるたびに屋敷のメイド達を困らせていたらしい。

7歳での魔力測定、長いアウディーネ家の歴史の中でも類を見ないほどだった。私は宮廷魔術師である叔父の魔術指導を受けることになった。


新しいことを試すのが楽しくて仕方ない私の魔法はどんどん上達していく・・・



アルザスに出会ったのはそんなある日のことだった。