ウツロ もし仕事を首になったら談


もし仕事を首になったら談




ケーリーさんが髭スライムと話している頃




夕刻、料理屋にて
ケーリーの説得に失敗したミラは慌てている。

「ウツロ先輩、どうしてそんなに落ち着いているんですか」
恨めしそうにウツロを見るミラ




「なんでって・・・もう『どうしようもない』ことをアレコレ悩んでもな」
ミラが説得して駄目なら もう不可能
俺?・・・逆に火に油を注ぎそうだ。





もしこの場で一人だったらもう少し慌てていたかもしれない。
ミラが あたふた している姿を見ていたら逆に冷静になってきた。
そんなに親身になってくれなくても・・・


仕事首になったらどうしようか・・・
行商人・・・いや、しんどいだろうそれ
やっぱり、多少激務でも、このまま宮仕えしていたい。




ミラ「ウツロ先輩が首になるというなら・・・私も魔法協会を辞めます」


そして、ウツロ先輩の行くところにお供します。
せっかく毎日が休みになったのだから・・・世界中を旅するのもいいかもしれません。
西の国、空中都市、遺跡巡り・・・楽しそう
傷心のウツロ先輩、優しく慰める私、・・・傷を舐めあうように自然と通い合う二人の心
どこかに景色のいい場所に家を買って・・・


ミラ「・・・」
おい、『それはそれで悪くないのでは?』って顔してるぞ




ミラ「なんだか、仕事しなくて良いって思ったら、わくわくしてきました」
・・・ちょっとわかってしまうのが悔しい




「ほら、くだらないこと考えてないで今日は帰って寝ろ」
あさってから魔獣討伐の仕事も入ってるし


ミラの頭を撫でる。
まだ、むくれている様だった。