【仮面王女編】すべては運の要素に影響される


【仮面王女編】すべては運の要素に左右される





浴室からあがった王女ミステリアはため息をつく。
軽い服装に着替えてベットにへたれこむ。





ウツロの言葉がまだ、心の奥に刺さっていた。
「薄々 わかってはいましたが、こうもはっきりと指摘されると、心に来るものがありますわね」

ミステリアの魔力は王家の中でも高い方だ。
魔法を習った当初、魔力が暴発して、使用人に怪我をさせてしまったことがあり
それから魔力制限装置は外さないと心に決めて、今も誓いは続いている。




王女ミステリアは考える。




この世のすべては運に支配されている。

自分は王女として生まれた、幸運だ。
綺麗な容姿、美味しい料理、綺麗なドレス、王宮に住んでいる。
多少窮屈ではあるが、皆が羨む生活であろう。

自分が王女として生まれたのは単なる運命の女神の気まぐれでしかない。
努力して選ばれた訳ではないのだ。



ウツロさんは不運だ。
魔法協会員なのに魔力がないんだもの・・・



そして、おじい様は・・・


不運だった・・・



国があんなにも傾いた時代に王様になってしまった・・・
魔獣の跋扈、ラグベールの侵略
そんな時代に王になったことがただただ不運だったのに・・・勝手に期待されて絶望されて



納得できない・・・




$$$





数日後、
旧市街地下水道・・・



仕事は思うように進まず、
守るべき期日が迫っている。



ウツロは考える。
近頃・・・
地下水道にガラの悪い輩がコソコソこちらをうかがっている気配がある。


経験上、奴らは盗賊のたぐいだろうと推察されるが、
だからこそ解せない。
この地下水道に奴らの儲けになりそうな物があるというのだろうか?



まさか・・・この地下水道にお宝が眠っていたりするのだろうか?









ウツロは少しばかりは焦っていた。
しかし、まぁ能力以上の仕事はできない。



ミステは目に見えて沈んでいた。


ウツロ「大丈夫か?」


ミステ「あなただって普段から似たようなテンションでしょう・・・」
まぁ・・・そうだけども











情けないと思わなこともない。
西の騎士国には『竜殺し』などと呼ばれるほど武勇に優れてた姫もいるらしいし



私は納得できないんだ・・・と思う。