ウツロ 休日のもろもろ


ウツロ 休日のもろもろ



1日目とにかく寝る。
2日目ダラダラする。

3日目ちょっと動いてもいいかな・・・


鍛冶屋でも行くか・・・


ミラに曲げられた剣、治るか聞いてみよう。
もう鞘に絶対収まらない形になって、置いておくのも邪魔だし。



3週間前、
ミラに自分の剣を曲げられたことを話した。
特にケーリーさんには怒られるんじゃないかと内心ビクビクしていたが、
あっさり代わりを準備してくれた。


ウツロ「・・・あの・・・怒らないんですか?・・・」

ケーリ―「安い支給品の剣の1本や2本必要経費です。構いません。」
ウツロ(安かったのか・・・初めて聞いたぞ)

ケーリ―「装備、備品費の予算はむしろ余っているぐらいですし、そんな剣を大切そうに長く使っているウツロさんもちょっとどうかと思ってました。」

ウツロ(ええ・・・)

ケーリ―「すいません。少し言い過ぎでした。」



絶対に治らないと思うが、
一応、修理に出すのが規則なので鍛冶屋に行っておいてくれとのこと



支部のある街 ミストクラノス は高い山脈のふもとにある落ち着いた街だ。
街の中心街へ行けばなんでも揃うし、コンパクトにまとまっている分、首都リムガントより便利である気がする。



鍛冶屋の戸をたたく。
鍛冶屋の娘カザンカが、対応する。



カザンカ「ちょ・・・なんスかこのオブジェ・・・マジウケるんですけど」
大笑いするカザンカ
カザンカ「・・・どんな事したら こんな芸術品が出来上がるんスか」
ウツロ「・・・ああ・・・後輩魔女の拳をガードした時に・・・こうなった・・・」
カザンカ「あはははははその冗談ウケる・・・もう、いちいちボケないで下さいよ。」

いや、真実だけどな



カザンカ「親父、見てくれをこの剣・・・」
親父「・・・これは流石に治せませんぞ」

ウツロ「ええ・・まあ、修理に出すのが規則ですので」



親父「・・・逆にこの剣が修理できれば、もう修理できない剣はこの世にないことになりますな・・・」



親父の鍛冶屋魂に火をつけてしまったようだった。変なスイッチ入ちゃったな・・・
鍛冶屋の親父は真剣に剣を熱して・・・ハンマーを意を決して振り下ろす。




ポキン




第一投で剣はあえなく折れてしまった。
御免なさいという目線を向けてくる鍛冶屋の親父とバカウケする娘。
カザンカ「あははははは・・・ウケる・・・マジウケる・・・」


ウツロ(・・・うん・・・時間の無駄だったな・・・)


折れた剣を念写して備品破損報告の資料にすることにした。
横にカザンカさんが笑顔でピースして映り込んでいた・・・